著者プロフィール                

       
人生に寄り道なし 〜 『一隅を照らす』特別連載(その5)

市川 博昭

昭和7 年、静岡県生まれ。旧制静岡高等学校1 年修了後、新制東京大学文学部仏文科、法学部公法学科卒業。国家公務員六級職(法律)試験合格、農林省入省。退官後、協同組合飼料工業会常務理事、帝蚕倉庫取締役現業副本部長を経て、同代表取締役社長。(財)大日本蚕糸会監事を歴任、現在に至る。

人生に寄り道なし 〜 『一隅を照らす』特別連載(その5)

脊柱管狭窄症手術で生まれて初めて2ヶ月の入院生活を強いられた。入院中はベット生活で一日の長いことを痛感し、退屈で困り、雑文を書き始めた。それまで随筆はもちろん雑文も書いたことがなく、ただ、いずれ自分史を書きたいと思っていた。入院日誌が基になって退院後も雑文を書き、パソコンで清書し始め、ファイル八冊に及んだ。幸い、幻冬舎の自分史コンクールがあり、応募したところ、当選し、八十六歳の誕生日に編集し、七月三日に一千部を市販することとなった。中学、高校、大学と受験生活が続き、当時目指していた旧制静岡高校の先輩たちが塾を始めたので、韮山中学同期のK君達とともに参加し、中学五年にならないと学べない積分計算を教えてもらい、しかも静高の試験問題に出た。これでは中学五年生にならないと合格できない仕組みで、Iさん達の先輩のおかげで合格した。農林水産省に入り、最初の職場が水産庁で、北海道と長崎へ頻繁に出張した。たまたま一番上の姉の伴侶が北海道議会の議長を務め、その縁で道庁の水産部長付秘書と結婚した。考えてみれば、人生は寄り道の連続といわれるが、社会的勤めを無事済ませ、余生に入ると、すべて寄り道はなかった。三人の子供も無事成人し、私共も一日一日九十歳に近づきつつある。まさに人生に寄り道なしである。

『一隅を照らす』特別連載 【全37回】 公開日
(その1)狸二度目の対面 2019年4月11日
(その2)初雪 2019年6月28日
(その3)ストレス 2019年7月5日
(その4)終戦の日 2019年8月26日
(その5)人生に寄り道なし 2019年9月6日
(その6)もやし 2019年10月4日
(その7)教養主義 2019年11月1日
(その8)黄色いマーク 2019年12月6日
(その9)冷蔵庫 2020年1月10日
(その10)根 気 2020年2月7日
(その11)小田急が学生寮開業 2020年3月6日
(その12)コンパクト・シティ 2020年4月3日
(その13)行政の電子化 2020年5月1日
(その14)地域密着型弁護士 2020年5月29日
(その15)座るとき、どうこいしょ 2020年6月30日
(その16)市民農園 2020年7月31日
(その17)ALS(筋萎縮側索硬化症) 2020年8月31日
(その18)卵 2020年9月30日
(その19)生きがい 2020年10月30日
(その20)からだ測定会 2020年11月30日
(その21)高齢者が高齢者を支える金融モデル 2020年12月28日
(その22)孤独 2021年1月29日
(その23)猫の日 2021年2月26日
(その24)首都圏の私大が都心へ回帰 2021年3月31日
(その25)さくら 2021年4月30日
(その26)箱根山 2021年5月28日
(その27)腎臓透析 2021年6月30日
(その28)おもてなし続編 2021年7月30日
(その29)筋肉 2021年8月31日
(その30)地域医療の行方 2021年9月30日
(その31)富士山 2021年10月29日
(その32)高齢の認知症老人は暴力的か 2021年11月30日