著者プロフィール                

       
座るとき、どうこいしょ 〜 『一隅を照らす』特別連載(その15)

市川 博昭

昭和7 年、静岡県生まれ。旧制静岡高等学校1 年修了後、新制東京大学文学部仏文科、法学部公法学科卒業。国家公務員六級職(法律)試験合格、農林省入省。退官後、協同組合飼料工業会常務理事、帝蚕倉庫取締役現業副本部長を経て、同代表取締役社長。(財)大日本蚕糸会監事を歴任、現在に至る。

座るとき、どうこいしょ 〜 『一隅を照らす』特別連載(その15)

 最近、朝起きる時にまず「どうこいしょ」と掛け声をかけて身体を起こす。椅子から立ち上がる時にも自然と「どうこいしょ」と掛け声をかける。 「どうこいしょ」の語源は民俗学者の柳田国男によると「何処へ」が語源で、日本は古来から山には神様や祖先の霊がいると信じ、山に登る際、「六根清浄」と唱えながら登ったのが、「どっこいしょ」と聞こえたという説と座るとき、立ち上がる時、ものを持ち上げる時に「どっこいしょ」と掛け声をかけたという説がある。六根は仏教語で感覚や意識の六つの器官:眼・耳・鼻・舌・身・意のこと。六根を清浄にして修行に臨むという意味、この六根浄から「どうこんしょ」という掛け声になったという。     「どうこい」=何処へ(しょは強調)といわれる。水前清子が歌った「よいしょコラショ、ほらきたどっこいしょ、ほらきたどっこいしょ」を思い出す。詮索はともかく、どっこいしょの掛け声は年を取るたびに多くなり、年寄りの年輪である。この掛け声が多くなればなるほど、わが身を励まし、老いにレジスタンスしている証拠である。

『一隅を照らす』特別連載 【全37回】 公開日
(その1)狸二度目の対面 2019年4月11日
(その2)初雪 2019年6月28日
(その3)ストレス 2019年7月5日
(その4)終戦の日 2019年8月26日
(その5)人生に寄り道なし 2019年9月6日
(その6)もやし 2019年10月4日
(その7)教養主義 2019年11月1日
(その8)黄色いマーク 2019年12月6日
(その9)冷蔵庫 2020年1月10日
(その10)根 気 2020年2月7日
(その11)小田急が学生寮開業 2020年3月6日
(その12)コンパクト・シティ 2020年4月3日
(その13)行政の電子化 2020年5月1日
(その14)地域密着型弁護士 2020年5月29日
(その15)座るとき、どうこいしょ 2020年6月30日
(その16)市民農園 2020年7月31日
(その17)ALS(筋萎縮側索硬化症) 2020年8月31日
(その18)卵 2020年9月30日
(その19)生きがい 2020年10月30日
(その20)からだ測定会 2020年11月30日
(その21)高齢者が高齢者を支える金融モデル 2020年12月28日
(その22)孤独 2021年1月29日
(その23)猫の日 2021年2月26日
(その24)首都圏の私大が都心へ回帰 2021年3月31日
(その25)さくら 2021年4月30日
(その26)箱根山 2021年5月28日
(その27)腎臓透析 2021年6月30日
(その28)おもてなし続編 2021年7月30日
(その29)筋肉 2021年8月31日
(その30)地域医療の行方 2021年9月30日
(その31)富士山 2021年10月29日
(その32)高齢の認知症老人は暴力的か 2021年11月30日