著者プロフィール                

       
父が父兄参観に出席 〜 私の良き時代・昭和!(その15)

森田 力

昭和31年 福岡県大牟田市生まれで大阪育ち。
平成29年 61歳で水産団体事務長を退職。
平成5年 産経新聞、私の正論(テーマ 皇太子殿下ご成婚に思う)で入選
平成22年 魚食普及功績者賞受賞(大日本水産会)
趣 味  読書、音楽鑑賞、ピアノ演奏、食文化探究、歴史・文化探究

父が父兄参観に出席 〜 私の良き時代・昭和!(その15)

父が父兄参観に出席

 父は学校行事である父兄参観にはあまり来ることはなく殆ど母が出席した。ところが六年生のある参観日に父がきたので驚いたことがある。父の身長は一五五センチ程しかなく、頭はすってんてんの上小柄であったのだ。

 私が父と親しく話しているのをみて友達が、後で「あのオッチャンは誰や」と聞きに来たので、「父やで」というと、みんな信じられないような顔をして、目を丸くしていた。高学年ともなると身長は父より私の方が高くなっていたので、「見た目が全く違うやないか。親子に見えへんで」と男女の友達が騒ぎ出したのであった。「本当にお父さんか」と何度も聞きかえす。よほど友達の抱いていた父親像とは違っていたのだろう。その後も父についての質問が色々と相次ぐこととなった。

 父は社交性があったので、同級生の誰彼無しに声をかけて笑わせているうち、みんなからの父への印象は次第によくなっていった。

私の良き時代・昭和! 【全31回】 公開日
(その1)はじめに── 特別連載『私の良き時代・昭和!』 2019年6月28日
(その2)人生の始まり──~不死身の幼児期~大阪の襤褸(ぼろ)長屋へ 2019年7月17日
(その3)死への恐怖 2019年8月2日
(その4)長屋の生活 2019年9月6日
(その5)私の両親 2019年10月4日
(その6)昭和三〇年代・幼稚園時代 2019年11月1日
(その7)小学校時代 2019年12月6日
(その8)兄との思い出 2020年1月10日
(その9)小学校高学年 2020年2月7日
(その10)東京オリンピックと高校野球 2020年3月6日
(その11)苦慮した夏休みの課題 2020年4月3日
(その12)六年生への憧れと児童会 2020年5月1日
(その13)親戚との新年会と従兄弟の死 2020年5月29日
(その14)少年時代の淡い憧れ 2020年6月30日
(その15)父が父兄参観に出席 2020年7月31日
(その16)スポーツ大会と学芸会 2020年8月31日
(その17)現地を訪れ思い出に浸る 2020年9月30日
(その18)父の会社が倒産、広島県福山市へ 2020年10月30日
(その19)父の愛情と兄の友達 2020年11月30日
(その20)名古屋の中学校へ転校 2020年12月28日
(その21)大阪へ引っ越し 2021年1月29日
(その22)新しい中学での学校生活 2021年2月26日
(その23)流行った「ばび語会話」 2021年3月31日
(その24)万国博覧会 2021年4月30日
(その25)新校舎での生活 2021年5月28日
(その26)日本列島改造論と高校進学 2021年6月30日
(その27)高校生活、体育祭、体育の補講等 2021年7月30日
(その28)社会見学や文化祭など 2021年8月31日
(その29)昭和四〇年代の世相 2021年9月30日
(その30)日本の文化について 2021年10月29日
(その31)おわりに 2021年11月30日