Presented by 幻冬舎ルネッサンス新社

特別インタビュー のぶみ 自分にとって書くこと、表現することとは

1999年にデビューして以来、「しんかんくん」シリーズや「まるごとひゃっか」シリーズで人気を博した絵本作家・のぶみさん。近年では『ママがおばけになっちゃった!』『ママのスマホになりたい』など、独自の視点が次々と話題を呼び、出版した作品は170冊超。なんのために絵本をつくるのか、どのように絵本をつくるのか――「ベストセラー」が長く君臨しつづける絵本業界において、斬新な作品を生み出しつづける「新世代」の作家であるのぶみさんが語る、「表現の原動力」と「表現プロセス」とは。

漠然とした「みんな」ではなく、特定の「だれか」を確実に喜ばせるために

──のぶみさんは、1999年に『ぼくとなべお』でデビューされましたが、それまでは出版社へ作品を持ち込んでいたとうかがいました。

 のぶみ:ぼくがかつて、出版社に作品を持ち込むにあたって、必ずやっていたことがあります。それは、描いた作品をこどもとか友人とか周囲の人たちに読んでもらうこと。たとえば、いくつかの作品を10人に読んでもらって、どれがいちばん人気かを確かめていました。読者がおもしろいと言ってくれるか、これがいちばん重要だと思うんですよね。

 ぼくが絵本を描く一番の理由としては、「みんなを喜ばせたいから」という気持ちがあるからだと思います。ただ、絵本の難しいところですが、不特定多数の「みんな」ではなく、「だれかひとり」に絞って作品をつくったほうが、より「伝わる」作品になると思うんです。漠然と絵本を描いたところで、売れる作品にはなりません。

 絵本は、ジャンルがわかりやすく分かれています。ざっくり言えば、「あかちゃん向けの絵本」、「4~5歳向けの絵本」、「しつけ絵本」といったところでしょうか。それぞれで読者ターゲットや内容がぜんぜん違います。その大きなジャンルからさらに細かく分かれて、「どうぶつ」、「たべもの」、「のりもの」など、作品のテーマが絞られますが、読者がどんな絵本を求めているのか、それをしっかり考えることが大切だと考えています。

 たとえば、「どうぶつを主人公にした絵本をつくろう」と決めたとしましょう。しかし、ひと口にどうぶつと言ってもいろいろありますよね。どの動物をキャラクターにしようか……そこで、ちょっと視点を変えて「こどもが好きな動物ランキング」を参考にしてもいいかもしれない。ちなみに最近では、一位が犬で、二位が猫で、三位がうさぎ。ハムスターなんかも人気みたいですね。このように、「読者が好きなものとはなにか」という視点も重要だと思います。変わった動物をテーマにするのもいいかもしれませんが、それではたして読者が喜ぶのか、読者に手にとってもらえる絵本になっているのか、という視点を忘れないように気をつけています。