Presented by 幻冬舎ルネッサンス

特別連載インタビュー

絵本だからこそ生きる・生かせる、「文章」と「絵」の絶妙なリズム

──作品をつくるにあたって、どんなことを心がけていらっしゃいますか。

 のぶみ:絵本には、独自のアイディアと、絵本としてのストーリーの両方がほしいと考えています。アイディアとストーリーとがうまくセットになっていればベストで、さらにそこに「絵」と「文章」というふたつの要素が、とても重要になってくるわけです。これは、絵本ならではのおもしろさとも言えますね。

 絵本ですから当たり前ですが、絵と文章とがセットになっているので、文章が長すぎてはいけません。具体的にどのくらいの文章量がいいのかは、その作品があかちゃん向けか、4~5歳向けかにもよりますが、ここにも、読者への気遣いが必要です。

 目安としては、ひとつの絵にたいして、文章は多くても5行くらいかと。2~3行、多くても5行で次のページに進むと、テンポよく、楽しく読むことができますね。「絵本は15見開きが基本」という考え方がありますが、とすると、全体で約30ページ。そのくらいの人気の絵本をこどもに読み聞かせして調べたところ、絵本1冊をぜんぶ読みきるのに、3~5分以内でなければこどもは飽きてしまうという結果だったそうです。
フランスなどでは、「1見開きの片側がすべて文章」という絵本が多いようですが、日本はテンポよく読ませる文化が根強いですね。なかには文字がまったくない絵本というのもありますが、これは本当に難しいです。

 ぼくは、文章で言えば、その5行の文をくわえて、できるかぎり具体的な言葉で表現するように心がけています。そして「~しました」「~でした」というような地の文より、会話文が多いほうが読みやすいですね。

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