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特別連載インタビュー

単なる「自己満足」の表現にとどめず、読者に「求められる」作品を追求する

──小説を書く上で、まずは企画から入ると思うのですが、ここで悩む人も多いと思います。森沢さんはどのように企画を考えていますか?

 森沢:最初に人間関係の設定が降ってくることが多いですね。例えば、この『雨上がりの川』であれば、メインの登場人物はお父さん、お母さん、娘の3人家族。娘は学校でいじめられていて不登校になってしまった。そんな娘を助けるために、お母さんが怪しいスピリチュアルにハマってしまう。そうしたら、家族はどうやって救い出すだろう? その心の揺れを描いたら面白いだろうな、という設定です。

その次はキャラクター設定です。どういうキャラクターだと読者が身近に感じて、物語に入り込みやすいかを考えます。

たとえば、この物語に登場させる娘のハルカちゃんは、何年何月何日生まれで、血液型は何型で、身長・体重はこれぐらい、髪形はこんな感じ、目の色はちょっと茶色。服装はこういうのが好み。爪は短く切るタイプ。歯並びは割といいけど、実は下の歯はちょっとずれてる所がある…。という感じで、キャラクターの詳細をひたすら書き出していくんです。。

すると最初ぼんやりとしていた人物像がだんだんはっきりしてきて、ハルカちゃんがこの世に存在するかのように思えてきます。さらに、それと同様の作業をハルカちゃんのご両親のキャラにもすることで、メインのキャラクター3人がしっかりと息づいて、「うわ、この3人絶対その辺にいるぞ」って気がしてくるんですね。

そこまで出来たらいよいよあらすじを作ります。あらすじは相当細かく、長く書きます。小説でいうと100ページ分ぐらいですね。

舞台設定も作り込み、必要な脇役も生まれてきます。
その時、僕が大事にしているのは、脇役一人ひとりに特徴を持たせることです。

面白い物語を書く時ってそこがすごく重要だと思ってて。例えばドラえもんだったら、
主役ののび太とドラえもんだけでなく、脇役のキャラクターもすごく魅力的ですよね。しずかちゃんは可愛くて、バイオリンが下手くそで、やたらとお風呂に入っている。スネ夫はめちゃくちゃ金持ち、でも腰巾着でずる賢い。ジャイアンは喧嘩が強くて、下手だけど歌うことが大好き。そういう風にキャラクターがきちんと作り込まれているから、より一層作品に深みが出るんですよね。

だから『雨上がりの川』でも、出てくるおじいちゃんは心理学のことにすごく精通してて、釣りが好きとか。寂しさを抱えているけど、娘を愛してるとか。そういう特徴を持たせた人物像を作っています。

 僕は透明人間になって、あらすじの舞台となっている世界にそっと入っていって、あるキャラクターとあるキャラクターが喋ってる様子とか、今なんとかって言ったなとか、今のはため息をこらえた表情だなとか、その時にカレーライスの匂いがしてきたぞとか。なんか空から小鳥の声が聞こえたとか。この吹いた風は潮風だなとか、そういうことを感じながら文章にしていきます。

その時は1人称で描く時と、3人称で描く時があって。3人称で描く時はそのキャラクターを僕は外から眺めてるんですね。
でも1人称で描く時は、完全に僕の中で作り込んでいるキャラなんで、そのキャラクターの中に憑依する感じで、キャラクターの目から見えてる世界を描いていく感じですかね。

最近、好きなのは1人称で書くことです。

この世に起こる事件って、関わった人によって見え方が違うと思うんですよ。もっと立体的だと思うんですよね。この人と別の人から見ればこの人は許してあげるべきだし、別の人から見たら許せなくなる。っていうのがこの世界の現実だと思ってて、それに厚みを持たせるために僕はいろんな人の視点から物語を書くのが面白くなってる。

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