Presented by 幻冬舎ルネッサンス新社

特別連載インタビュー

日常の解像度を高くすることで、ストーリーが生まれる

──デビュー後、『親指さがし』『あそこの席』『×ゲーム』『パズル』『スイッチを押すとき』『その時までサヨナラ』など50万部を超えるヒット作を連発していらっしゃいますが、小説を書くうえで大事にしていることはありますか?

 山田:僕が書くのはノンフィクションではなく完全なる空想の世界なので、自分の中で世界を作り上げていくことを大事にしていますね。登場人物のキャラ設定よりも、世界観の作りこみに重きを置いています。

また、僕の作品は残酷な設定が多いんですが、最後まで残酷というのは嫌なんですよね。どうしても救いを作ってあげたくなっちゃうんです。僕、優しいから(笑)。

──確かに読者から寄せられる感想は「怖かった」というものよりも、「最後は必ず正義が通るので、読んでて気持ちがいい」というものが多いですね。
ちなみに、タイトルはどのようにつけているんですか?

 山田:どうやってって言われると、正直難しいんですよね。あんまり考え過ぎると良くなくて、パッと出てくる方がいいんですよ。幻冬舎社長の見城徹さんにも「できあがってから話にタイトルをつけるんじゃなくて、絶対にタイトルから浮かんだ方が面白い話なんだ」と言われたので、それを意識しています。

──タイトルやストーリーのアイデアはどのようなところで生まれることが多いですか? また、そのために工夫していることはありますか?

 山田:今何が流行ってるのかぐらいは、やっぱりアンテナを張っておいた方がいいと思います。だって全く流行ってないものを内容として書いても面白くないし、売れません。それよりも今、人が何に夢中になっているのかっていうのを見つけて、いち早く体験した方がいいと思います。

話題になっているTV番組、人気のYouTuber、新しくリリースされたネットゲーム…。それらを見ながら「これがきっかけで、こんな話の展開になったらどうだろう?」と考えることが多いです。

その中から着想を得ることもあるし、過去の経験から思いつくこともあります。
例えば『親指さがし』。

ここには「別荘で殺され、遺体をバラバラにされた女性の左手の親指を探してあげる」というゲームが出て来ます。

ゲームの内容を簡単に説明するとこうです。

1.輪になって地面に座り、右隣の人の左手の親指を自分の右手で握る。
2.目を瞑り、自分自身が別荘で殺されてバラバラにされたと想像する。
3.目を開けると「親指さがしの部屋」へ辿り着く。
4.別荘に着いたら蠟燭が1本あるので、元の世界に戻るにはそれを吹き消す。
5.もし探している最中に後ろから肩を叩かれても、絶対に振り向いてはいけない。振り向いたら死んでしまう。

この話は、子どもの時に実際にやった遊びがベースになっています。

5人くらいで輪になってこっくりさんをやっている途中、いきなり4人が倒れるという遊びです。倒れることは残りの1人だけ知らされてないので、要はただのいたずらなんですけどね。

これを話にしたら面白いんじゃないかと思って、もしこの倒れた4人が異世界に迷い込んだら?現実世界に戻るためには何か課題をクリアしなければならないとしたら?という感じで、自分の経験談と空想を織り交ぜてストーリーを考えました。

こんな風にどんなところから着想を得るかわからないので、出たアイデアは片っ端からメモしていました。そしてそれを面白いと自信があるものから1軍、2軍、3軍に分けていましたね。

僕は本を作るとき、編集者に「こういう話を考えているんです」ってアイデアを出してそれを一緒に揉んだり組み立てていって書くっていう流れで進めているんですけど、例えば『パズル』を書いたときもそのメモの中からいくつもアイデアを出しました。

ちなみに最初は1軍のアイデアを出し惜しみして、2軍のものを出したんですね。そうしたら「いや、もっと面白いものが出せるはずです」と言われて、あんまり1軍出したくないんだけどなぁと思いつつ当時の自分が一番自信のあるものを出したら「あっ。それいいじゃないですか。やりましょう」となって。それで書くことになりました。

──アイデアのストックは常時どれぐらいあるんですか?

 山田:よく書いたときは20個ぐらいはあったと思いますよ。それが使えるか、使えないかは別として。

もし商業作家としてやっていきたいのであれば、1回本を出して終わりというわけにはいかないので、絶対に何個もアイデアのストックをためておかなければ駄目だと思います。

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