著者インタビュー

西野鉄郎様

トゲトゲを取ってまん丸にすることが創作の第一歩

秘められた織田信長、千利休、前田三代の精神性に迫る。

 

九谷五彩による華麗な絵付けと独特の様式美で知られる磁器「古九谷」。
武家文化・キリシタン文化そして朝廷尊皇文化が育まれた加賀・金沢において古九谷誕生の背景にあったものを追究する歴史ロマン。

 

著者プロフィール

石川県立小松高校(理数科)・上智大学外国語学部ロシア語学科卒業。
鶴見和子ゼミ(社会学)OB。西野塾(英語)主宰。
人生の目標は「一生一品」の「鉄郎饅頭」をつくることで、鉄郎饅頭の1個目は英語教育でした(二見書房『一気暗記200キーワード』は高校時代の自分の学習ノートの出版です)。その教育法のおかげもあり、3人の子どもたちは、海外の大学に進学しました。私は織田信長や坂本龍馬、山田方谷や河合継之助、ゴッホや葛飾北斎が好きで、時代小説を読むのを欠かしません。登場人物が魅力的で、彼らが「自分の心に住み」、自分の人生が豊かになります。龍馬は脱藩してわずか4年で英雄になりました。そして、志を遂げた瞬間に、天は龍馬を召しました。そういう人生が美しい人生だと私は信じています。2個目の鉄郎饅頭をつくり終え、いま現在、私は3個目の鉄郎饅頭に挑戦中です。なお本書『古九谷を追う』は4個目の鉄郎饅頭です。

古九谷を追う 加賀は信長・利休の理想郷であったのか
ご出版されたきっかけを教えてください。

西野 最初は、「石川県九谷焼美術館」の紀要に載せる原稿を頼まれたんですよ。でもなぜか採用されなかったんです。友人には好評だったので、出版するといくらぐらいかかるんだろうと調べたら幻冬舎があった。そのときに営業の人と話して「作家体験をしてみませんか?」と言われて、面白いなと思ったのが決め手です。実は以前に商業出版をしたことがあって、実数で4万部近く売れたんです。でもそのときは、僕が持ち込んだ原稿を編集者が跡形もなく直して、僕はやった気がしなかったんです。だから「作家体験をしてみませんか?」という言葉が響いたんですね。

-実際に作家体験をしてみていかがでしたか?

西野 出版を決めてから20万字ぐらい書いて、編集者に「どこかいいですか?」と訊いたんですよ。そうしたら採用しないところにバッテンをつけてくれたんですが、それがとても上手で感心したんです。そこで編集者に信頼が持てました。それからも知り合いにアドバイスをもらいながら、設定を変えてみたりと随分書き直したんですが、途中からほとんど口を出されませんでしたね(笑)。編集者にもっと何か言ってもらえるのかと思ったんですけど。

-西野さんにお任せしたほうがいいと判断したんでしょうね。

西野 そうそう(笑)。だから僕がしっかりしないと大変だと思う反面、楽しい体験でしたね。タイトルは編集者が決めました。僕は非常に迷ったんですよ。例えば「信長の残影」というタイトルだったら本屋の歴史コーナーに並びますけど、「古九谷を追う」だとアートコーナーに並ぶ。今年は大河ドラマ「麒麟がくる」をやっているので、「信長の残影」にしたほうが売れるんじゃないかと助言してくれた人もいたんです。でも僕は、古九谷愛から売れないほうを取った。表紙も、あえて落ち着いたものにしたんです。というのも、内容が今まで語られてきた信長や古九谷の話とは違う。フィクションじゃないかと思う人もいると思うんです。だから内容が正しいと印象づけられるような表紙にしたんです。

-古九谷を千利休や織田信長と絡めて語る内容は、たしかに斬新で新しい視点ですね。

西野 読者にとっては刺激的で驚きの連続でしょうね。信長の「天下布武」はリクルートのためだったとか、千利休の茶室は最後の晩餐のために作った、というようなことを1つ1つ書いていきました。古九谷の色使いについても、ゴッホやセザンヌ、フェルメールなどを絡めて語っています。読んだ人からは「歴史観が大きい」と驚かれました。

-先生と学生Nの会話文になっていることで読みやすくなっているのも特徴的ですね。

西野 そうなんですよ。“論”で書くと難しくて誰も読まないだろうから、“譚”にすることが大事だと思ったんです。会話文になっているおかげで、読者は自分がNくんになって、先生の講義を体験する感覚で読める。難しい内容だと思いますが、一気に読めたという感想もいただきましたよ。普段はこういう本を読まない人でも、読みやすければ読んでもらえるというのは、僕の中で発見でした。

-ご出版されたことで周囲の反応や変化はありましたか?

西野 かなりありましたよ。まず、市長から電話をいただきました。それで本の内容について話すと、あるプロジェクトに参加してほしいと言われた。それが、この本を書くきっかけになった美術館の名称変更のためのプロジェクトなんです。「石川県九谷焼美術館」の名称を「古九谷美術館」にしようという動きがあるんですね。その声明文を書くことになった。美術館のほうも、最初は僕の本の内容に懐疑的だったのが、本が売れ出したことで扱いが変わったんですね。

-では最後に、出版を検討されてる方にメッセージをお願いします。

西野 僕は、個性は金平糖のトゲトゲしている部分だと思っているんですよ。そして今回の“作家体験”を通して分かったのが、そのトゲトゲを取ってまん丸にすることが創作の第一歩だということ。個性を取り除くというのは、難しいことですよ。でも個性そのままで書いたものは、誰も読まないと思いますよ。だからまずはドゲトゲの部分をたくさん書いて、推敲を重ねてまん丸にする。それが出版なんだと思います。そこにさらにくさびを打ち込んで再びトゲトゲにできれば、作家として食べていけるんだろうと僕は感じました。だから出版を考えている方は、とにかくトゲトゲのものをたくさん書くことです。それをまん丸にできれば、多くの人に読んでもらえるものができると思いますね。

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