完成した本を手にしたときは、これまでの努力が実を結んだことを実感し、感慨もひとしおであった。
悲劇の皇子は、いま甦る
有間皇子、十九歳。
彼はなぜ、悲劇的な結末へと追いやられたのか。
『日本書紀』の記述、万葉の歌、そして藤白坂に残る記憶。
史料を読み、土地を歩く。
その先に見えてきたのは、
一人の皇子の運命を左右した非情な構図だ。
有間皇子は、本当に
「謀反人」だったのか。
本書は、その通説に
真正面から異を唱える。
『日本書紀』の行間を精査し、
万葉集に残された
二首の歌を読み直し、
ゆかりの地を歩き検証したとき、
浮かび上がったのは、
朝廷の論理によって
封じられた皇子の声である。
十九歳で藤白坂に散った命。
だが、その名は消えなかった。
有間皇子は、悲劇の人である。
いまなお日本古代史を揺さぶる
“もう一つの真実”そのものなのだ。
研究の過程で歌のCDを制作したり、物語を映像作品としてまとめたりしてきたが、それらを体系的な形で残しておきたいと考えました。
―制作中に大変だったのはどんなときですか?執筆の途中で、字数が多いのか少ないのか分からなくなり、迷いました。
―制作中に大変だったのはどんなときですか?改稿にあたって、担当編集さんに細部に至るまでさまざまな指導や助言を受け、それを踏まえて大幅に書き改めることで、問題を解決できたと思います。
―制作を進めるなかで印象的だったことを教えてください。校正が終わり、完成した一冊の本が家に送られてきたときです。「やっと仕上がった」という実感とともに、深い感慨がわいてきました。
―読者へのメッセージをお願いします。この本に書いたような物語が実際にあったことを、老若男女を問わず、一人でも多くの方に知っていただくために、ぜひ読んでもらいたいと思います。
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