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人はいつからでも生き直せる
一粒の種子
心のなかの杭
パンドラの箱が開いた
苛立ち
よかったら、お手伝いしますよ
夢の記憶
いつか咲くために
引きこもりの日々から突然、たった一人の家族である母を亡くした坂本曜。
社会生活に無知な彼がとったその後の行動、そして流転の日々――
人々のつながりと家族の再生を描いた連作短篇集。
母の笑った顔は、忘却していた。
でも、「曜、しっかり生きろ」と聞こえた声は母なんだ。
雨上がりの空を仰いだ。
遠い日のアパートの部屋の匂いがした。 (本文より)
■著者紹介
松谷美善(まつやみよし)
1959年、東京都港区で出生。國學院大學栃木短期大学国文学科卒業。
著書に、難病を患った母の介護を綴った『涙のち晴れ 母と過ごした19年間の介護暮らし』、
両親への複雑な思いを吐露した『不完全な親子』(いずれも小社刊行)がある。