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近代化の坂を駆け上がった日本。
その表舞台にはいつもこの男がいた――
第1章 この国を
第2章 西園寺家へ
第3章 女中頭
第4章 憧れのパリ
第5章 フランスの親友
第6章 西農園
第7章 三ッ星屋
第8章 国の宝
第9章 二・二六事件
第10章 孤舟
第11章 近衛文麿
掌編 竹の杖 ─西園寺公望八十七歳 春疾風の候─
*あとがき
*文庫版 あとがき
*文庫版解説─静岡新聞社論説副委員長・佐藤学
穏やかな気候で知られる、静岡県・興津にたたずむ「坐漁荘」。
この地で晩年を過ごし、最期の日を迎えた西園寺公望は、日本が西欧列強に肩を並べようと全速力で駆け抜けた明治という時代に、パリ講和会議の全権大使、内閣総理大臣など政府の要職を歴任。国の中枢で活躍した大政治家としてその名が知られる。民を思い、国を憂えた「最後の元老」は、いかにしてその生涯を閉じたのか。
「坐漁荘」での西園寺を支えた女中頭、漆葉綾子との交流を軸に、知られざる素顔に迫る。
加筆や資料の追加でパワーアップした増補文庫版。
■著者紹介
小泉達生(こいずみたつお)
1958年、清水市(現静岡市清水区)興津生まれ。
静岡県立清水東高等学校、茨城大学人文学部卒業。
松下電工株式会社(現パナソニック)に入社後、教育界に転身して小学校教員として38年間
勤める。赴任した地域の特色ある教材づくりに力を注ぎ、清水次郎長、山岡鉄舟、太原雪斎、
梶原景時、穴山梅雪、静岡大空襲などの社会科単元を多く開発。
編集長として『目からウロコ!? おもしろ静岡歴史ゼミナール1・2巻』を自主出版し静岡市内
全小学校や全市立図書館に一千部ずつ配布して好評を得る。
NPO法人の理事として興津坐漁荘の管理運営や西園寺公望の劇台本や検定問題の作成のみならず、ユネスコ世界の記憶「朝鮮通信使」の顕彰のため、通信使行列への参加や劇脚本、作詞などにも
関わる。常葉大学教育学部の非常勤講師を17年間務めている。