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幻冬舎ルネッサンス新社小説コンテスト大賞受賞作品
死、金、性。剥き出しの人間の営みを真正面から描いた衝撃作。
二〇二X年 夏
くねくねする右腕
一九七〇年 夏~秋
1 通信簿と子猫の死
2 秘密基地の大貧民
3 末はお医者か代議士に
4 マユミの嘘泣き
5 家出
6 ビルマの石
7 ある疑惑と川の主
8 親子喧嘩と村祭り
9 約束
二〇二X年 秋
1 落とし物
2 赤い紐
3 狐のくれた幸運
4 鬼ごっこ
貧乏農家で育った「私」は、幼い頃から金への執着がひどかった。
夏休みのある日、壮絶な夫婦喧嘩をきっかけとして、「私」は母に手を引かれて親戚の家へ転がり込んだ。老舗旅館を経営する叔母一家の裕福な生活を目の当たりにして、「私」は医者になることを宣言する――。
人間の目をそむけたくなる醜悪さを抉り出すように描き出す純文学作品。
「情念の怪物たちが狂騒の果てに辿り着いた、醜くも愛おしい「人間(ひと)」の本性。」
―作家・四国大学教授 佐々木義登
■著者紹介
菊野 啓(きくの けい)
1960年徳島県生まれ。
広島大学歯学部卒業。徳島大学大学院博士課程修了。
歯学博士。