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サイモン&ガーファンクルの文学的な深い歌詞の世界

ポピュラーミュージックの歴史を語る上で外せない、フォークロックデュオ「サイモン&ガーファンクル」。
繊細なハーモニーとシンプルながらも感情を揺さぶるメロディで人気を博しましたが、ポール・サイモンが書く歌詞も魅力の一つです。

文学的な要素の強いポールの歌詞は、考察がなされる歌詞が多くあります。
一部の学校では、英語の授業の一環でサイモン&ガーファンクルの歌詞を読み、考察することもあるくらい、歌詞の文学性が評価されています。

ポールの書く歌詞は、人間の心の機微や、社会への警告や啓示を歌ったメッセージ性の強いものですが、メロディやハーモニーを邪魔することなく、韻をしっかり踏むことで音楽の一部として役割をなしています。
主にポールは心の機微を歌うときは、「孤独感」、「疎外感」をテーマに歌詞を書いています。

このコラムでは、深い精神領域と思考へと誘うサイモン&ガーファンクルの歌詞の世界感を彼らの代表曲『サウンド・オブ・サイレンス』を取り上げ、紹介していきます。
詩を書いてみたいと思っている方や、作品を書くにあたって何かインスピレーションが欲しいと思っている方は必見です!

 

サウンド・オブ・サイレンスの歌詞の世界

和訳すると、「静寂の音」。まず、この曲名からして何か考察したくなりませんか?

この曲でテーマになっているのはもちろん「静寂」であり、歌詞の中にお告げや警告とあるように、現代社会に対する警告が歌われています。
ここで歌われる「静寂」とは、「平穏な静けさ」ではなく、「不穏で音にならない声」を表しています。
現代社会において人間同士の関係や絆は希薄になり、物事の本質を見ようとせず、ただ混沌と騒がしさで、その「何かは分からないが何か間違っている」という感覚を「静寂」に預けている人々へ、「不穏さ」を語り掛けているのです。

これが「サウンド・オブ・サイレンス」の歌詞解釈でよく言われる内容なのですが、これだけでも十分文学性を持ち合わせていますが、この曲は「何か分からないけれど不穏だ」という「感覚」を暗喩でも私たちに伝えてきます。

どの国でも、どのジャンルの曲でも歌詞に暗喩は多用されていますが、ポールの暗喩は「本当は何について言っているか分からないからこそ、心がざわつく」という特殊さがあります。

音楽でも、詩でも、文学でも、「人の心に何かしらの感情を湧き起こさせ、感情を動かす」ことが、人の心に残る作品の最も重要な条件と言えます。

このような手法を学ぶにも、ただ詩の世界を堪能するにも、サイモン&ガーファンクルの作品は秀逸です。
「いい作品を作るには、いい作品から学ぶ」。ぜひ、彼らの他の作品もご覧に入れてください。

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