著者インタビュー

定年後、長年の夢を叶えました。

人に忘れ去られた荒地の一角にある、ゴミ処理場。
そこに蠢く、人ならざるものの姿───
読みだしたら止まらない、日常に潜り込んだ不可思議な出来事にまつわる怪奇小説短編集。

 

定年目前最後の仕事に精を出す土田有三は、
ある日、仕事の機密情報が入ったUSBメモリを紛失してしまう。
そんな彼のもとに転がり込んできたのは、
「“ゴミ仙人”なる人物に依頼すると、数日のうちに失せ物が見つかる」という奇妙な噂。
藁にもすがる思いで“ゴミ仙人”のもとに訪れた彼は、
そこで信じられない光景を目にするのだった。
表題作『塵芥仙人』ほか、計3篇の傑作を収録。

―刊行された今のお気持ちはいかがでしょうか。

自分の綴った文字が本となり、書店に並んでいるのを見た時、正直に「やった!」と思いました。手放しで嬉しかったです。長年、文化の伝承を生業としてきましたが、それはあくまで人類が造り得たものを伝える役目でした。いわば仲介役です。しかし、今の自分は創造者。自分の思いを読者にぶつけて一緒に悩み、哀しみ、喜び、楽しむことができるのです。一端、この側に立ったからには、今まで以上に大きな責任を負うことになるでしょう。この大転換の機会を与えてくれた編集者の力添えを深く感謝するとともに、これからも良い作品を作り続けるために、邁進したいと思っています。

―今回、出版をしようと思ったきっかけを教えてください。

私は45年間、二足の草鞋を履くことができない仕事をしてきました。定年を終えた後、多くの人が「第2の人生のスタートだ」と言いますが、私にとって執筆活動は長年の夢、まさに第1の目標でした。今までの仕事から離れることで、作品づくりに没頭する時間が生まれましたので、さぁ愈々!第2ではない第1の人生のスタートを切ったんだと言いたいのです。

―制作を始める前、どんな不安がありましたか?

執筆者としての力量をはじめ、題材の選択力、構想力、組み立て力、表現力、国語力、そして独創性……。どれをとっても歴代の作家より見劣りがして、誰も自分の本に見向きもしないのでなかろうか? 苦労して作っても紙屑になってしまうのではないか? という不安が頭をよぎりました。

―制作の過程で不安を解消できましたか?

私の場合、3つの短編小説を執筆しましたが、一篇ずつ講評を受けることができたのは大変励みになりました。起承転結といった基本的な構造をはじめ、独自の展開にしても無理なく効果的な構図となっているか、語句の使用や漢字に誤りはないか、人権を含め権利侵害がないかなど、細部にわたる確認と指摘がありました。作中の思いを崩すことなく、前向きなアドバイスをいただけたことは一番勇気づけられ、自信とやる気が出ました。自信とやる気こそが不安解消の良薬ではないでしょうか。

―制作中によかったと思えたのはどんなことですか?

編集者と二人三脚で進めることができ、作成中に感じた疑問や矛盾点を素直に相談できたことです。また挿絵の挿入や古典的な表現、時にはわがままとも思われる要望にも対応してくれました。校正作業も大変丁寧にしていただいたと感じています。

―書籍に込めた思いを教えてください。

1篇目の『塵芥仙人』では、地球規模で起きている環境破壊の問題や約束事の重要性について。2編目の『虚け』では、日本の社会に根付いていた共同体の素晴らしさ。3編目の『構造色』では物事の実像とは何かという問題を読者に問いかけました。本怪奇譚3篇を通して読者が「人間として当然持つべきものとは何なのか」を自問する機会となれば幸いです。

―これから出版を考えている人へのメッセージをお願いします。

世の中には、自分の人生の軌跡を残すため、学問の功績を後世に伝えるため、作家になるため……色々な目的のために出版を考えている人がいるでしょう。コンテストを開催している会社もあり、受賞すれば無料で出版ができる場合もあります。しかし、受賞する確率は低く、また、人生には限りがあります。挑戦し続けるのも一つの選択だと思いますが、本当に出版を考えるのであれば、信頼のおける出版社に依頼をする方法もあるのです。確固たる信念のもとに原稿を執筆し、協力していただける編集者と念入りな打ち合わせをし、刊行までこぎつければ、読者を得ることに何の隔たりもありません。有償である分、信頼と実績を見極めることが大事です。幻冬舎ルネッサンスはそれに該当する会社であると痛感しました。


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