私自身では想像していなかった受け止め方をしてくださる方も多く、とても励みになっています。
心臓の手術直後に脳梗塞を発症し、入院生活を送ることになりました。その中で、これまでの人生や仕事について考える時間が多くありました。すると、バイオリン職人として修業していた頃のことが次々と思い出され、当時の自分や出会った人々、苦労した日々を、もう一度きちんと思い返してみたいという気持ちが湧いてきました。それが、出版を考えるきっかけとなりました。
―制作中に大変だったのはどんなときですか?大変だったのは、音声入力で文章を入れる作業でした。半身まひの後遺症もあり、口が思うように回らないことがありました。そのため、自分ではこう言いたいと思っていても、違う言葉として入力されてしまったり、伝えたい表現にならなかったりすることがありました。頭の中には書きたいことがあるのに、それを正確な言葉として形にするまでに時間がかかった点が、いちばん大変だったように思います。
―制作中に大変だったことをどのように乗り越えましたか?何度も同じ言葉を入れ直しながら、一つひとつ確認して乗り越えました。音声入力では、思っている言葉と違う言葉が入ってしまうこともありましたが、そのたびに読み返し、自分が本当に伝えたい内容になっているかを確かめました。時間はかかりましたが、あきらめずに繰り返すことで、少しずつ自分の思いに近い文章に整えていきました。
―制作を進めるなかで印象的だったことを教えてください。印象的だったのは、幻冬舎に伺い、担当者の方と直接お話しできたことです。本がどのように形になっていくのか、その制作過程が少しずつ見えてきて、とても貴重な体験になりました。特に、原稿を丁寧に確認し、何度も校正を重ねていく姿勢が印象に残っています。一冊の本を作るために、多くの方が細かい部分まで心を配ってくださっていることを実感しました。
―これから出版を考えている人へのメッセージをお願いします。最初から「人に受けるものを書こう」「うまく伝えよう」と考えない方が良いと思います。まずは、思いついたことを書いてみることが大切です。失敗を恐れずに始めてみると、書いているうちに自分の中にある思いや記憶が少しずつ形になっていきます。結果として、その方が自然で伝わるものになるのではないでしょうか。
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