【大賞発表】第4回新人賞

『天命愛憐』

せと つづみ:著

編集部コメント

主人公の夏峰沙茅は、家族のために出稼ぎをしていたが、工場の落雷事故により全てを失う。新たな仕事として舞い込んできたのは、富裕層の女性宅に住み込みで働く女中の仕事だった。住み込み先の生活や人間関係を通じて自身との差を感じるが、現実を受け止めながら前向きに仕事に取り組む沙茅。ある日、工場について週刊誌の記事が発表され、表層的な情報に踊らされる世間に違和感を覚える。上辺ではわからない心の機微や貧富の差からくる感情、人間の綺麗な面と汚い面を知る。そして、戦争によって変わる環境の中で、本当の平等についても考えるように。差別や偏見に縛られず、個々が公正に評価される社会の実現は難しいものの、そんななかでも自分は望み通りの人生を生きているのか? 生きられるのか?……現実から少しでも希望を見つけようとする姿に人間の強さを感じられる作品であった。
執筆力も高く、登場人物の心の葛藤や社会の問題に対する洞察を描き出している。どの点を取っても高水準でまとまっており、大賞に相応しい作品であると評価したい。

 

『ぎんと白い月』

成瀬 千恵子:著

編集部コメント

子ぎつねのぎんは母を人間に殺され、人間との関わりを避けて生きていた。ある日、食べ物を探している途中で里山におりてしまう。偶然、かつて母が歌ってくれた歌を聞き、心の奥に眠っていた温かな思い出がよみがえる。歌っていたおばあさんに母を重ね、寂しそうな表情が気になってしまう。「人間と関わってはいけない」という母の最期の言葉から葛藤しながらも、その場所が心の安らぎを感じさせ、頻繁に訪れるように。おじいさんの死後、元気のなかったおばあさんの力になりたいとおじいさんに化け、畑仕事までするようになる。方言での掛け合いと文体からどこか親近感を覚えてしまう造形となっている。クライマックスで、おばあさんがぎんを守り、人間の犯した過ちを謝罪するシーンでは互いへの思いやりと優しさが描かれている。子ぎつねの成長と家族への思い、命の尊さや絆の大切さを考えさせられる作品だ。ファンタジーとして楽しめるが、ブラッシュアップをしてより魅力的な作品として世に送り出してほしいという期待を込めて今回は特別賞という形で選出させていただいた。

幻冬舎ルネッサンスでは、今読まれるべきエンタテインメント作品を求めています。
新鮮かつ将来性豊かな才能あふれる多くの作品をお待ちしています。

ぜひ、奮ってご応募ください。

本コンテストの大賞作品は、「市井の人々」が主役のWEBメディア『ゴールドライフオンライン』の連載コンテンツとして、同メディアの月間90万のユーザーに向けて公開します。

「ゴールドライフオンラインとは」
日本には1億2000万の「LIFE」がある――。一つひとつのLIFEに光を当てる
市井(しせい)の人々が主役のWEBメディアです。
掲載ジャンルは、論説、小説、仕事、お金、文化、食、エッセイ、健康など。
毎日10本以上の記事をお届けしています。

募集内容

テーマ:不問
ジャンル:エンタテイメント作品(ミステリー、恋愛、ファンタジー、SFなど)

<応募規定>
日本語で書かれた、未発表の作品
400字詰原稿用紙10枚~(上限なし)
※word、pdfを推奨(一太郎は正しく表示されない可能性があります)。
※必ずタイトルを添えてお送りください。文字組等、書式や体裁は自由です。
※ご応募はおひとり様一作品までになります。
※一度ご応募いただいたあとに、別の作品や修正した作品をお送りいただいた場合、最後にご応募いただいた作品を選考対象といたします。
ただし、差し替え、複数応募に関する個別のご連絡等はいたしません。

<応募資格>
・性別・年代は問いません。
・弊社または他社で出版をしていない作品に限ります。
投稿サイトや記事などで掲載している作品について、ご応募時に非公開にする必要はございませんが、大賞に至った際には削除をお願いさせていただく場合があります。

<期間>
応募開始日:2023年4月1日
応募締め切り日:2023年6月末日23時59分まで。郵送の場合は消印有効。

<結果発表>
2023年7月末 大賞発表予定
ホームページでの大賞発表をもってかえさせていただきます。

<賞の内容>
WEBメディア「ゴールドライフオンライン」に連載

<主催>
幻冬舎ルネッサンス

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