文学とカルチャーは切っても切れない関係にあります。
カルチャーは文学に影響し、文学はカルチャーを扇動します。
それらの相乗効果により、時代は大きく変革していきます。
このような文学とカルチャーの関係を語るうえで、外せないのが「ビート・ジェネレーション」です。
「ビート・ジェネレーション」とは、1950年代から1960年代にかけて、アメリカの文学界で異彩を放ち、当時の若者文化に大きな影響を与えた作家グループです。
最盛期にはジャック・ケルアックやアレン・ギンズバーグそしてウィリアム・バロウズなどの有名作家が活躍し、多くの若者、特にヒッピーから熱狂的な支持を受けました。
彼らは、腐敗した産業社会の習俗と絶縁することで悟りの境地にいたるのだという哲学を持ち,それを禅による神秘体験やジャズ・酒・薬物による陶酔で実現しようとしていました。
ビート・ジェネレーションの文学作品は、当時支配的だったモダニズム的秩序からの抑圧に反発し、内なる自我を無制限に解放することを目指しており、彼らの生活や思想を色濃く表しています。
ビート・ジェネレーションが誕生した1950年代は、第二次世界大戦の帰還兵に政府が経済援助を行い、中産階級が増大した時代です。
その一方で、産業の合理化が進み大量消費社会が出来上がったことで「人間が機械に管理される」という皮肉も生まれました。
このような時代に人々は、人間らしさとは一体何かを考え、心を疲弊させていました。
ビート・ジェネレーションの生活は端から見れば、ただの堕落した生活でした。
しかし、人間らしさを追求した彼らの生活や思想は人々の希望となり、憧れとなったのです。
1950年代に誕生したビート・ジェネレーションの思想は今でこそ様々なカルチャーに多大な影響を及ぼしていますが、当時はマイナーな存在でした。
しかし60年代に入ると、彼らの思想はロック・ミュージシャン、ヒッピー、ニューレフトと呼ばれる左翼系の政治活動家たちにとって、不可欠な基軸となります。
現在も多分野のアーティストの原点になっている、ビート・ジェネレーションのスタイル。
彼らは人間らしさや自由を求め、自らの進む道を疑わず、それを表現することに邁進しました。
自らの根源から湧き上がる思想を、他の視線を気にかけず表現した彼ら。
彼らの留まるところを知らない表現欲求は、創作活動を続ける人々にとってリスペクトの対象になるに違いありません。
『オン・ザ・ロード』(ジャック・ケルアック、青山 南 (翻訳)、河出文庫、2010/6/4)
安住に否を突きつけ、自由を夢見て果てなき旅に向かう若者たち。ビート・ジェネレーションの誕生を告げ、その後のあらゆる文化に決定的な影響を与えた不滅の青春の書。
彼らの生活や思想がぎゅっと詰まった一冊なので、ご興味を持った方にはぜひ一読していただきたい作品です。
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