表現者の肖像 伊藤 清
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表現者インタビュー

『希望の鎖』が刊行されました。今のお気持ちはいかがでしょうか。

 著者分として配布されたほとんどの部数を知人や友人、親戚などに配布しました。何人かから本気で感動したというお褒めの言葉をもらいますが、そんなときは刊行してよかったな、としみじみ思います。また、処女作ですので店頭に並ぶのを見るのは複雑な気持ちになります。嬉しいと同時に売れるかどうかが気になるのですね。もっとも売れるかどうかを気にしていたら、こんな本は書けませんが。

 

今回出版しようと思ったきっかけはなんだったのでしょうか?

 教員生活を40数年やる中で、組織のリーダーが自らの考えや思いを発信することの大切さと効果を知りました。特に生活指導主任と校長を経験したときはその部門のリーダーとして発信することの効果がはっきりと感じられました。ところが定年退職を迎えてみると、発信したい思いや考えは膨らむばかりですが、発信する場面が無くなりました。市井の一人となった今、小説という形でならそれを表現して発信できるのではないか、と考えたのがきっかけです。

どんな方に読んでほしいですか?

  「絶望」を「生きる力」に変えたい、という人にまず、お勧めします。この小説は読み手を架空の知的世界や心象風景に誘(いざな)います。そこから脱出(読み終えた)しときに、自分の心象風景が明るく変化していることに気が付いてほしいのです。
 心の明るさや暗さには、そこに留まらなければならない明確な理由も根拠もない、と私は考えています。それらはつまるところ、自分で創り出すものだからです。
 次に、現実社会を別な世界から見てみたい、という人にお勧めします。この小説は、荒唐無稽に変化する様々な場面に、ジェットコースターのように読者をダイナミックに運んでいきます。そのジェットコースターから降りたときに現実社会はどのように見えるでしょうか。その変化に、面白さを見出してほしいと思います。

 

幻冬舎ルネッサンス

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