著者インタビュー

米国雑誌が描く昭和天皇像の変遷を追うことで生まれた新たな研究。

20世紀、アメリカ国民の「日本のイメージ」を形成したのは、活字ジャーナリズムだった。
世界の中でも特殊とされる日本の皇室は、どのように報道され、そのイメージを変遷していったのか。
週刊ニュース誌『タイム』、高級ビジネス誌『フォーチュン』、写真週刊誌『ライフ』といった主要米国誌の記事を徹底分析し、斬新な視点で昭和天皇像を解説する、唯一無二の保存版。

―出版されたきっかけを教えてください。

大学院の学位論文として書いた文章が思いのほか上手く書けたので、ぜひ皆さんに見てもらおうと出版を検討しました。自分がこの分野の研究をやっていくにあたっての名刺代わりに提示できるものがあればという思いもありました。

―専門は“欧米メディアにおける皇室描写等の近代政治思想史”ということですが、そもそもこの分野に興味をもったきっかけは?

生まれが昭和の終わりで、昭和天皇が崩御したときのもやもやした世の中や社会の雰囲気が、ずっと心に引っかかっていました。そのとき、父がテレビを見ながら泣いたんですよ。それを見て、父の心をこんなにも動かす存在なんだと思ったら、天皇というものが興味深く思えたのです。

―米国タイム社の雑誌における天皇の描写を分析してデータ化するのという発想は斬新に感じます。なぜ米国からの視点に着目したのでしょうか?

初めての就職先が米軍横田基地でした。アメリカ社会に飛び込んだことで、天皇という存在の特異性に気づいたのが研究を志したきっかけです。アメリカの若者からすると“天皇”というものがよく分からず、かといって自分でも上手く説明できなかったのです。アメリカ社会には宗教がありますが、日本は特定宗教がないのにも関わらず世界一の治安維持をできている。それは天皇がいることによる心のあり方なのかなと感じました。

タイム社の雑誌を調べようと思ったのは、1944年に発行された「フォーチュン」で日本特集があったことが大きいですね。アメリカ人にインタビューした「天皇は日本人にとってどのような存在だと思うか」という問いの答えで多かったのが「日本人にとっての唯一の神」となっていて、やはりアメリカと日本では神の感覚が違うと思ったんですよ。その捉え方が面白いと思ったことと、当時タイム社は日本に特派員を送っていて情報量が圧倒的に多かったのが調べ始めた理由です。

―幻冬舎ルネッサンスから出版した経緯を教えてください。

ネットで「出版」で調べるとすぐに出てきたからでしょうか(笑)。

家の中に幻冬舎の本があって馴染みがあったこともあります。ほかにも何社か話を聞きましたが、正直、高いんですよ(笑)。でもしっかりした本ができそうだなと一番感じました。他のところは「すぐ出版できます!」という形でしたが、何度も校正することなど包み隠さずに話していただいて「時間はかかります」と。それが逆に信頼できました。それと、編集担当が熱い方だったというのも決め手でしたね。最初から「これはいいですね!」と内容を気に入ってくれたんです。

―編集者とのやりとりで印象的だったことはありますか?

とにかく熱い方なんですよ。こちらも「本を出すんだ!」と熱くなって意気込んでいたので、当時のやりとりを見ると本当に熱いメッセージの撃ち合いで(笑)。
「日本の全員に読んでもらいたいですね」と嬉しいことを言ってくれたので、その言葉はケータイの待ち受け画面にしました(笑)。

「アメリカは昭和天皇をどう見たか 戦争とジャーナリズムの交差点」というタイトルは完全にお任せしました。できあがって気づいたんですけど、主題も副題も五七五になっていてすごいなと。

―だから長いタイトルなのにすっと入ってくるんですね。本の内容とも合っています。

そうなんですよ。今はネット販売が売上げを占めると思いますが、検索しやすいキーワードがちゃんと織り込まれている。やはりプロは上手いなと思いました。帯のデザインも気に入っています。青地に赤の線が入っているのが目立つようで「見つけやすかった」という声をよく聞きます。任せてよかったなと思えるプロの技術を感じましたね。

―出版後の周囲の反響はいかがでしたか?

親戚、家族が喜んでくれましたね。何年も具合が悪い父に、自分がやっていることを見てもらいたいというのも出版のきっかけとしては大きかったです。なので、父に見てもらって、安心してもらえたのは本当によかったです。

僕は今、大学と専門学校で講師をしているのですが、専門学校の授業でこの本を使うことが決まったのもうれしいことです。タイム誌からの引用を英語でそのまま記している部分を使って「英語で読む日本文化」という授業を行う予定です。

―出版を検討されてる方へのメッセージをお願いします。

発表できる文章があるんだったら、ぜひ出版されるべきだと思います。僕の場合は、論文に加筆調整するために3ヶ月ほど執筆期間をいただいたんですけど、根が怠け者なので締め切りがあったほうが頑張れました。

出版してからは、身が引き締まりました。研究職ではこれまでの実績の提示を求められるので、名刺代わりの本ができたことで研究業界に入っていきやすくなったと思います。それが自信にもなっています。この出版がゴールではなく、次の目標への武器ができたというか。この本では終戦までをまとめているので、次は戦後から現代にかけての研究を進めているところです。また2~3年後に、出版できたらと考えています。


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