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勉強・受験 2019年12月11日

少人数制指導の魅力
―医学部受験のプロによる教育論―医学部受験に強い学習塾代表のこだわりとは――

 3人の子ども全員を国公立大学医学部へ入学させた松原澄子さん。彼女が福岡県で運営する松原塾もまた、毎年多くの医学部医学科へ合格者を輩出している。福岡校の難関大学特進クラスでは、医学部受験の合格率は80%以上(2018年度)というから驚きだ。

 何人もの医者を送り出してきた教育者に、指導の上でのこだわりを伺った。

【受験勉強に王道はない】
 受験勉強をする際に「この問題集をやっておけばよい」や「毎日最低12時間は勉強が必要」といった一般論は無力です。志望大学や志望学部に応じて対策が違ってくるのはもちろんですが、生徒の学力や性格によっても効果的な学習法は異なります。生徒一人ひとりに向き合って学習計画を立てることが重要です。しかし、生徒が自分自身で学習計画を立てることは難しい。だから私たちが存在しています。特に医学部受験の厳しさを踏まえると、受験本番までの限られた時間の中で、志望校合格へ向けて回り道をする余裕はないのです。

 もちろん、生徒が自分で考えて戦略を立てることも大切です。それに加えてプロに助言してもらうことができれば、生徒も安心して勉強に取り組めます。医師が患者の容態に応じて治療法を選ぶように、私たちは生徒の状態に応じて学習法を助言します。また、松原塾では医学部志望の生徒との面談に現役医師を同席させることも少なくありません。医者からの励ましの言葉は、生徒のやる気を引き出します。

【医学部受験の現実】
 医学部受験というと、生徒みながモチベーションを高く保持して勉強している印象をお持ちかもしれませんが、必ずしもそうではありません。実は進学校に進んだ生徒がなんとなく医学部を目指すというケースは案外多いのです。また、保護者が医者である場合、ご両親の方が気楽に構えてしまうこともあります。医学部受験は時代とともに過酷さを増していますが、最新の受験環境を正しく理解されていないのかもしれません。

 受験勉強をはじめる際に、まずは自主学習をしっかりと習慣づける必要があります。自主学習が違和感なく日常生活の中に組み込まれると、学習意欲が高くなってきます。そうしてはじめて、より高いレベルへステップアップする準備が整います。私たちは少人数制の授業スタイルを活かして、成績だけでなく、精神面や環境面もサポートしています。
大学入試は決して甘えの中では成功しません。私たちは、生徒に厳しい指導だと思われるとしても、改善すべきことは放置しません。生徒にはきちんと現実を伝えることを心がけています。

 念願の医師となってからも、貪欲に学び続けていかなければなりません。厳しいことを言いますが、医学部へ受験しようというときに勉強が好きだとか嫌いだとか、そういう次元にいては話にならないのです。

――松原さんの厳しい言葉には、生徒を応援したいという純粋な情熱が込められていた。目の前の生徒ひとりひとりをよく見なければ、それぞれに助言をして個別の学習カリキュラムを組むことはできない。松原さんは少人数制指導にこだわりをもって塾を運営しているのだ。
 子どもの自立も大切だがそれを支える大人の存在も大切だと、松原さんは話す。

「保護者の役割も重要です。子どもとの適切な接し方について、私が直接、保護者の相談に乗ることもあります。医学部受験に限った話ではありませんが、子どもが自分の道を決めようと思ったときに、それを実行できる環境を整えてあげることが周りの大人たちの努めではないでしょうか」