ぼくたちの短い永遠

No,027

本田 和輝

著者No,027 本田和輝

作品紹介

著者No,027 本田和輝

ぼくたちの短い永遠

本田 和輝

主人公・聡の親友である一郎は、20歳の夏に両親を事故で亡くす。
天涯孤独の一郎を、聡とその妹・朋子が気遣い、悲しみを共有する。
三人の交流はさらに深まり、心おだやかに夏休みを過ごす中、一郎の親類を名乗る男が突然現れる。
両親の死因、自らの出生の秘密―。十代の若者が背負うには重過ぎる真実。
すべてを知った一郎を苦悩が襲う。
そして、壊れかけていたのは一郎だけではなかった。
不協和音が響き始める、友人と家族の関係。
傷つきながらも惹かれあう、アンビバレントな感情が交錯する青春ストーリー。

装画:椋本サトコ

プロフィール

著者No,027 本田和輝

本田 和輝

1977年2月、宮崎県生まれ。熊本大学医学部医学科卒。
現在、精神科医として勤務する。本作が小説デビュー作である。

座右の銘

継続だけが力なり
「継続は力なり」をアレンジしています。勉強でも仕事でも一朝一夕でできることは小さなものですが、コツコツと積み重ねていくことにより、それなりのものに仕上がってきます。私の本業は精神科医なのですが、医学博士になるための論文を作成する時に地道な努力の大切さを実感しました。今回の小説も毎日小さなことを積み重ねるようにして完成させました。生まれながらの才能よりも継続する努力の方が価値があると私は信じています。

インタビュー

『ぼくたちの短い永遠』が刊行されました。今のお気持ちはいかがでしょうか。

ほっとしたというのが正直なところです。出版を夢見て、小説の学校へ作品を送ってみたり文学賞に投稿したりしていましたが、なかなか本を出版するところまでは辿り着けませんでした。今回、幻冬舎さんの小説コンテストに送らせて頂いたところ、運良く出版のお誘いを受けることができました。ようやくスタート地点に立てたと思っています。

今回出版しようと思ったきっかけはなんだったのでしょうか?

私の本業は精神科医ですが、ずっと小説を出版してみたいと思っていました。それは医師になるよりも以前の高校生の頃からのことです。そして医業への道を歩むのと並行して小説家になる用意をしてきました。予想外に長い時間がかかりましたが、高校生の頃からの夢を叶えるために今回出版させていただきました。

どんな方に読んでほしいですか?

いろんな方に読んでほしいです。今回の小説はある有名文学賞にも応募されたものなのですが、実は1次選考すら突破することができませんでした。今回、ダメ元で幻冬舎さんのコンテストに応募しましたが、面白いと言っていただけることができました。読む人で評価が違うことを実感したのですが、それが小説の面白いところだと思います。いろんな方に読んでいただいて、いろんな感想を聞いてみたいです。

座右の一冊

ラカンの精神分析(講談社現代新書)

著:新宮一成

混迷する現代社会を生きていくヒント

ここが魅力

これまでバイブルのように長年繰り返し読んできた本は何冊かあるのですが、この本はそのうちの一つです。ラカンはフロイトの流れを汲む20世紀後半に活躍した世界的に有名な精神分析家です。構造主義を基本としたその思想は大変難解ですが、混迷する現代社会を生きていくヒントに満ちています。この本はラカンの入門書としては最適であり、これからも読み返していくことになると思います。

ヒストリー

HISTORY 01 学位を取得

学位を取得

医師としてのハイライトは、やはり学位を取得したことになります。大阪大学医学部精神医学教室教授の池田学先生が熊本大学に在職されていた時、4年間の大学院生活の中で認知症の臨床研究についてみっちりと指導されました。この時、研究における再現性の重要さを学ぶことができました。その成果は『The usefulness of monitoring sleep talking for the diagnosis of Dementia with Lewy bodies』という論文にまとめることができました。写真は学位授与直後の私(左)と池田先生(右)です。

人生を変えた出会い

小説、コンピュータゲーム、漫画

小学生の頃は、スーパーマリオブラザーズなどのファミリーコンピューターのゲームがとても好きでした。徳間書店から刊行されていた『ファミリーコンピューターマガジン』を熟読していました。中学生の頃から小説や漫画にハマっていきます。小説家は筒井康隆さん、漫画家はゆうきまさみさんを尊敬していました。大学生になり音楽にも興味を持つようになり、ロッキング・オン社が発行する雑誌をよく読んでいました。大学生の時にもっとも影響を受けたミュージシャンは電気グルーヴです。

そして精神科医になり医療に関わることになります。気分障害、統合失調症、発達障害、人格障害などの精神疾患の治療、大学病院医局や病院の運営がどのように行われるのか、肌身で感じてきました。そして大学院生となり認知症の臨床研究について濃密な指導を受けました。私の医師としての能力はこの大学院生活で築かれています。小説、コンピュータゲーム、漫画が大好きだった田舎の少年が大人になって精神科医として医療に携わっていますが、この経験は小説を書く上で今後、役に立っていくと思います。

未来へのメッセージ

別の本でもみなさまにお会いできることを楽しみにしています。

ようやく本を出してもらうことができましたが、やはりこの本だけで終わりにはしたくはないです。少しずつ新しい小説を書いていますが、次の目標は二冊目の小説を出版してもらうことです。そして三冊目、四冊目も出版し続けてもらえればいいなと思います。
今回の作品は青春小説であまり医療とは関係ない話なのですが、せっかく医師になったので医療小説も書いてみたいですね。これまでの医師としての生活の中で得たものを、どのようにして小説に活用していくかということを考え続けているところです。

別の本でもみなさまにお会いできることを楽しみにしています。

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