ページをめくる手が止まらない、読み始めたらいつのまにか朝だった……。
こんな経験をした人も多いと思います。
読者の心を掴んで離さない。こんな小説はどうやったら書けるでしょうか。
どんな素晴らしい小説にも基本があります。
本コラムではその基本を押さえ、皆様がオリジナリティを思う存分発揮できる土台造りの方法をまとめます。
設定集とは、物語の執筆に必要な情報を予めまとめたものです。
事前にまとめるべき項目は数え上げればキリがありませんので、代表的なものを以下にまとめます。
あくまで一例になるので、最終的には自分自身で使いやすいようにアレンジしてみてください。
→敬体(ですます調)か常体(だ・である調)かを決める。また、地の文の視点を一人称にするか三人称にするか決める。
※一人称視点) 「……!」と大声を出すと、静かにしろと彼は私に言ってきた。
※三人称視点) 太郎が「……!」と大声を出すと、花子は太郎に静かにしろと言った。
→いつの時代の話か。
→どこの世界の話か。現実世界か空想世界か。
→名前、性別、年齢、容姿、性格、物語の中での役割など
→主人公、主人公の仲間、ライバル(この3つが物語の中心となるメイングループ)と脇役の設定
→政治、経済、気候、生態系、文化、物理法則など
→物語を象徴する語句・フレーズを書き出す。
執筆を進める上で大切になってくるのが、物語に一貫性を持たせることです。
物語の途中で設定が変わったりすることが無いように、設定集は小まめに見返しましょう。
プロットとは物語の「出来事」のみを書き記したものです。
アイディアはまずプロットに起こしてみるといいでしょう。
<プロット例>
三幕構成とは、脚本の構成方法の基本です。映画の脚本の多くは三幕構成になっており、小説にも応用が可能です。
誰が、何をするストーリーであるかが設定され、主人公の目的が示されるパートです。
読者が前もって知らなくてはならない情報をここで説明しておきます。
主人公が何としてでも達成したい目的とその動機と必要性。ライバルがそれを阻止する目的と必要性を示し、ストーリーに妥当性・合理性を持たせます。
主人公が自らの目的を達成する際に生じる障害にぶつかります。襲い掛かる困難は次第に大きくなり、第二幕後半で物語の最高潮を迎えます。
「主人公は目的を達成できるのか?」という問いに対する答えが明かされます。ハッピーエンドかバッドエンドかを選択し、物語をまとめます。
※幕のあいだにはターニングポイントを挟みます。ふとした出来事をきっかけに、第一幕から第二幕に突入します。
全体的なボリューム配分は、第二幕のピークに紙幅を割くために第一幕:第二幕:第三幕=1:2:1が望ましいでしょう。プロットをまとめておくことで、第二幕にボリュームを持たせることが可能になります。
よくあるケースとして、事前準備なく書き始めると不必要なことまで書いてしまい、第一幕の分量が多くなってしまうことが挙げられます。こういった事態にならないために、プロットは綿密に作りましょう。
いくら設定集やプロットをまとめても、冒頭から細部に拘り過ぎてしまうと書き進めることが難しくなります。まずは70点の完成を目指しましょう。
大筋を書き上げてから細部に肉付けをして、何回も見直すことで少しずつ理想の形に近づけていきます。
一流の作家も、推敲には多くの時間を割きます。
なかなか筆が進まず、スランプに陥ることもあると思います。悲観的な考えに負けて、止めてしまおうと思うことも起こりえるでしょう。
そんな時はまず落ち着いて、設定集やプロットを見直しましょう。あるいは原稿を第三者に見てもらい、新鮮なアドバイスをもらって気分転換しましょう。
あなたの小説は誰かに読まれるのを待っています。最後まであきらめずに完成させられるよう、応援しています。
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