コラム

小説家になるには

1 そもそも「小説家」とはなんだろう

 改めて「小説家」という言葉の意味を調べてみると、「継続的に小説作品の著述・発表を行っている者」、「小説を書くことを職業としている人」とあります。こうしてみると「小説家」という言葉自体に厳格な基準はないことがわかりますが、今このページをみている方々のほとんどは、いわゆる本の印税や、メディアコンテンツへの掲載料で生活を成り立たせる「小説家」をイメージし、方法を模索している方なのではないでしょうか。

 今回はそうした生業としての「小説家」を目指す貴方に向けて、小説家になる方法をいくつかご紹介します。

2 小説家になるには

 一般的に、小説家としてデビューするには以下のようなルートがあります。

  1. ①著名な新人賞やコンテストに応募する
  2. ②出版社に持ち込む
  3. ③小説投稿サイトに応募する
  4. ④個人ブログやSNSなどで発表する
  5. ⑤自費出版

王道ルート(著名な新人賞やコンテストに応募する、出版社に持ち込む)

 ➀や➁の方法からのデビューが、おそらく最も多くの人が想像するであろう「小説家になる」王道ルートであり、かつ最も難関な道です。基本的に、著名な賞であればあるほど作品の精度(構成力や表現力、時代とのマッチング等々)が求められ、そのための鍛錬が必要となります。また、賞やコンテストの選考の下読みは、依頼された担当者が一人で行うことも多く、選者の好みなども影響するため、そうした意味では運も味方につける必要があるともいえます。

昨今のトレンド(小説投稿サイトに応募する、個人ブログやSNSなどで発表する)

 ➂や➃の方法は、現在若年~中年層に流行している方法で、実際に投稿サイトやSNSから評判になった作品が書籍・アニメ化するようなこともあります。ただ誰にでも投稿できるプラットフォームである以上、投稿される作品数も膨大であり、その中から話題に上るのはほんの一握りです。そのため、こうした方法でのデビューを目指すのであれば、作家自身も、作品の知名度を上げるための自己プロデュース力を養う必要があります。

新しい選択(自費出版)

 ➄の「自費出版」という言葉にはあまり馴染みがない方も多いかもしれませんが、基本的には費用さえ用意することができれば、誰でも作品を世に送り出すことができ、作家としてデビューするには最短の方法であるといえます。「自分の表現を今すぐ形にして人に届けたい!」という方には、おすすめの方法です。作品づくりの目標においても、作家が自由に設定できるため、「売れること」に重点を置く方もいれば、「自分の表現を追求すること」に重点を置く方もいます。またこちらの方法でも、作品が評判となってドラマ化されたり、自費出版でのヒットをきっかけに商業作家に転向したりと、次につながる例もあります。

 次章では、その例も交えながら、「自費出版」についてもう少し詳しくご紹介しましょう。

3 自費出版という選択肢 ―自らの手で可能性を広げる

 ここでは前章でご紹介した「自費出版」について、具体的な例を交えながらお話しします。

 「自費出版なんてどうせ売れないんじゃない?」と思われる方も、以下のタイトルはご存じなのではないでしょうか。実はすべて「自費出版」からベストセラーになった作品です。

  • 『佐賀のがばいばあちゃん』島田洋七 著
  • B型 自分の説明書』Jamais Jamais 著
  • 『リアル鬼ごっこ』山田悠介 著 山田悠介スペシャルインタビュー
  • 『知的悪女のすすめ』小池真理子 著
  • 『氷の華』天野節子 著

 このほかにも自費出版で刊行された作品が、特番ドラマの原案となる例などもあります。こうした例からも、自費出版がさまざまな可能性を秘めていることがお分かりいただけるのではないでしょうか。作品が売れればもちろん印税も入りますし、ヒットをきっかけに知名度が上がれば、その後の「小説家」としての継続した活動に繋がることもあります。自費出版は紛れもなく、自らの可能性を自らの手で広げる方法だといっても過言ではないでしょう。

 そして、ひとくちに「自費出版」といっても、出版社によって業態はさまざまです。個人的な作品づくりへのお手伝いを主とするところもあれば、作品のプロモーションにまで力を入れ、市場流通に耐えうる作品づくりを請け負うところもあります。「自費出版」を考える際は、自身の目的に合わせた出版社選びをすることが重要です。

 もし、出版をご検討の際は、弊社までお問い合わせください。

4 「絶対に売れる作品」はあるのだろうか

 いかかでしょうか。まずは、小説家への道筋を簡単にご紹介しました。

 しかし、そうはいっても、「小説を書いてみたいけど、自分の文章がどうしたらよくなるのかわからない」、「どうしたら小説家として売れっこになれるだろう」と悩まれる方もいらっしゃるでしょう。この章ではそのような疑問にお答えしていきたいと思います。

 まず、文章表現力を伸ばすには、「ひたすら読んで、ひたすら書く」しかありません。受賞作やベストセラー作品をたくさん読んで分析し、模索してみるという方法も効果的でしょうし、また、友人や知人に作品を読んでもらって率直な感想を聞き、参考にするというのもよい方法かもしれません。専門学校やシナリオスクールに通うといった方法もあります。ここまでは努力した分だけ着実に実る段階だともいえるでしょう。

 ただ、「売れっこになれるかどうか」という疑問には、正直なところ誰もこたえることができません。もちろん、市場のトレンドを分析し、購買層を意識して作品を書くことは、小説家として売れる可能性を広げることに効果的です。もっといえば、「小説家」として生計を立てていくことを目指すのであれば、時代の流れを敏感にとらえることは必要不可欠なスキルでしょう。

 とはいえ、まずは自分の書きたいものを思いきり書く、というのが表現者の本懐でしょうし、よくできた難解な作品だから売れるとも限りません。編集者が「これは面白い!」と太鼓判をおした作品が大外れだったということもままあります。逆を言えば、持ち込みで見向きもされなかった作品が、のちに別の出版社から刊行され、ベストセラーになった例すらあるのです。実際に作品が売れるかどうか、作家として売れるかどうかというのは、必ずしも断言できるものではないため、そうした意味で「作品が売れるかどうか」という疑問には「実際に世に出してみないとわからない」という答えしかありません。しかしだからこそ、どんな作品でも「世に出す価値」があるともいえます。

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