コラム

本の本?書物の歴史や文化をひも解く本3選

「書誌学」という言葉をご存じでしょうか?

 文学の研究といえば、著者の意図や物語について考察する、というイメージを抱く方も多いと思いますが、書物を「物」として捉え、研究するのが「書誌学」という学問です。
書誌学では、紙や印刷方法、フォントや挿絵、装丁など、書物を構成するさまざまな要素を研究します。

今回は、そんな本の魅力を分かりやすく解説した、書誌学の入門書をご紹介します。

 

『西洋の書物工房 ロゼッタ・ストーンからモロッコ革の本まで』
貴田庄著(2014/2、朝日新聞出版)

 

ロゼッタ・ストーンは、紀元前196年に出された勅令が刻まれた石碑の一部であり、エジプトのロゼッタでフランス軍兵が発見したものです。
また、定番の装丁の中でも美しいとされるモロッコ革の本は、現代でも用いられています。
ロゼッタ・ストーンが「書物」といえるかはわかりませんが、文字を石に刻むほかなかった時代から現代の大量印刷が可能になるまでには、長く複雑な書籍製作技術の変遷の歴史がありました。
この本では、西洋の書物工房の歴史を中心に、その製本術の進化のストーリーを追うことができます。

 

 『書物の本―西欧の書物と文化の歴史 書物の美学』
ヘルムート・プレッサー著、轡田収訳(1973/1、法政大学出版局)

 

著者のプレッサー氏は、ベルリン、ボン、ハイデルベルクの大学でドイツ文学、美術史、哲学、図書館学を学んだ後、マインツ大学でグラフィック、書籍装画、印刷、製本等々にわたる「書誌学」を研究した人物です。
この本の中では、書物の歴史を包括的に解説するだけでなく、法令、特許状、序文、手紙、公証書、手引き、といった類も、書物の一部と考え紹介しています。
他の書誌学の本では珍しい、書物の意外な歴史が学べます。

 

 『理想の書物』ウィリアム・モリス著、川端康雄訳 (2006/2、ちくま学芸文庫)

 

装飾芸術家や、社会主義者として有名なウィリアム・モリスですが、晩年、私家版印刷所ケルムスコット・プレスを設立しています。
彼の書籍に対する情熱は、並々ならぬものがありました。
活字や装飾デザインから紙作りに至るまで、徹底した理想の書物づくりを追究したモリスの、熱いこだわりの詰まったエッセイ・講演集です。

 

以上、3冊をご紹介しました。いかがでしたでしょうか。
気になる書籍があったら、是非手にとってみてください。
本がもっと好きになること間違いなしです。

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