コラム

なぜ大学教授が本を出すのか?

 

「大学教授が本を出すのは、学生にテキストとして買わせて儲けるためだ」といわれることがあります。確かに、大学教授が執筆した本は専門的で分厚く、価格も高額なイメージがあるでしょう。

しかし、教授たちが本を出版するのは本当に儲けるためなのでしょうか?テキストを売れば、必ず儲かるのでしょうか?

 

書籍1冊=論文3本分の実績?

 

昨今のSTAP細胞の騒動で話題になりましたが、研究者のキャリアアップのためには「実績を積んでいること」、これが条件です。その実績も、学会での論文発表や、学会誌への論文掲載の回数などが基準になるので、認められなければなかなか准教授から教授になれない、といったこともありえます。

また、大学教授という職業自体、狭き門です。正規の職業に就けない博士号取得者が「ポスドク」と呼ばれ、彼らの約半数が大学教員以外の道を選択することになると言われています。

その狭き門を突破するには、目立った実績が必要だということです。学会発表や論文発表といったすべての研究者が横並びの中で競い合うだけでは突出することが困難だと考えられます。

そこで、有用なのが書籍の出版です。これは個人でも、共著でも良いですが、とにかく研究者としての実績一冊の「本」としてまとめていることが評価につながります。

一冊本を出版することが、論文発表3回分に値するとも言われているので、この手段は上手くいけばかなり効率のいいキャリアアップとなるでしょう。

教授が本を出すのは、儲けるためではなく、研究者としての地位を確立するためなのです。

 

研究費の補助を出版費用に充てる

 

とはいえ、出版社から声がかかるのを待ったり、自分から売り込んだりしても、出版できる確率は限りなく低いと言えます。では、どうすれば最も効率的に出版にこぎつけられるのでしょうか。

そこで役立つのが、科学研究費助成事業の制度です。この制度は、人文・社会科学から自然科学まで全ての分野にわたり、基礎から応用までのあらゆる独創的・先駆的な「学術研究(研究者の自由な発想に基づく研究)」を対象とする「競争的資金」です。専門分野別の採択件数を比較してみると、人文社会系が18.6%なのに対して、理工学系、生物系が合わせて65.1%なので、理系の研究の方が補助は大きいように思えます(文部科学省作成の平成25年度科研費(補助金分・基金分)より)。そしてこの制度は一般的に、研究のための実際的な出費を賄うために利用されることが多いようです。

しかし、大学や出版社によってはこの制度を「書籍の出版費用」に充てることをサポートしてくれる場合もあります。

特に、理工学系の分野では研究費を、実験器具や設備といったものに投じているのが現状です。

教授としてのキャリアアップの手段のひとつとして、書籍の出版に研究費を利用するのも良いのではないでしょうか。

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