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なぜ『動物の写真集』は売れるのか(2)

 

動物写真集の人気の理由を考える本コラム。

前回は「なぜここまで動物写真集の出版が増えたのか?」について考察しましたが、今回は「なぜベストセラーがたくさん生まれるのか?」を考えていきましょう。

 

 

 

ターゲット層を広げる

 

まずはベストセラーになった動物写真集の事例を見てみましょう。

『人生はニャンとかなる!』(水野敬也、長沼直樹・著)

発行部数は約90万部の大ベストセラー。可愛らしい猫の写真と心に刺さる名言を合わせた、今までに無い新しいタイプの写真集です。
従来の写真集といえば、写真がメインであとは撮影場所の説明が僅かに載っているだけの、文章量が少ないものでした。名言集も、偉人の言葉と言葉を残した人物の解説を添えた辞典のようなもので、ビジネスマンや中高年向けの固いイメージのものでしたね。

ところが本書は、内容を猫の写真と名言の2つに絞り、どちらの情報も1ページに大きく載せて同等に扱っています。
これにより、普段は動物写真集を見ない読者層を惹きつけることが出来ますし、名言集を読まない読者層、特に若年層や女性にとっても、受け入れやすい作品になったのではないでしょうか。

写真集と名言集、相互の読者層のニーズを補完することでターゲットを広げ、最終的にはより多くの読者を惹きつけることができました。

 

キャラクター性をアピール

 

次はこちら。
『まこという名の不思議顔の猫』、『続・まこという名の不思議顔の猫』(前田敬子、岡優太郎・著)

 

『ちくわ by オトナ女子』(中岡美樹・著)

『まこという名の不思議顔の猫』は、10万部発行のベストセラー、『ちくわ by オトナ女子』は、篠原涼子主演のドラマで飼い猫として登場する“ちくわ”の写真集で、ヒットが期待されています。

どちらも不思議な顔の猫で、何ともいえない親しみが感じられますね。通常、同じ被写体の写真集ともなれば、カメラマンが撮影技術を駆使したり、決定的瞬間を捉えることで他の写真集との差別化を図っていました。
ところがこの2冊はそうした方法ではなく、猫のキャラクター性をアピールすることで、他の写真集と差別化しているのです。

『まこ』は愛想が無い真面目な表情で、『続・まこという名の不思議顔の猫』では整えられた食卓の前に佇む姿が、そのキャラクター性をさらに強調しています。
『ちくわ』は見てのとおり、“ブサかわ”な表情が特徴の猫で、これを強調するように接近して撮影した写真が表紙に使われています。

ブサかわを押した写真集は猫以外にもたくさんあり、過去には秋田のブサかわ犬“わさお”が登場して大きな話題を呼びましたね。
このように、一見同じに見える被写体の特徴を際立たせることが、売れる写真集を作るポイントのようです。

 

以上、3つの写真集について考察しました。
最近はどの書店にも写真集コーナーがありますから、ざっと眺めて面白そうなものは手にとってみましょう。
特に猫の写真集はブームの変動が激しいですから、今どんな写真集が売れているのかは常にチェックしておきたいですね。

(出典:すべてAmazon

 

 
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