コラム

コラム

自費出版:HOME > コラム > 今売れている人気闘病記から見る出版のコツ/闘病記出版講座

コラム

今売れている人気闘病記から見る出版のコツ/闘病記出版講座

これまでは闘病記の書き方について説明をしてきましたが、売れる・話題になっている闘病記にはどんなものがあるのでしょうか。

今回は、実際に出版されている書籍を参考に、何が他と違うのか、何が読者の興味を引くのかを調べました。

「世の中で話題になる闘病記出版のコツ」を学びましょう。

 

影響力のある人物が闘病記を編集

 

がんと闘った科学者の記録
戸塚洋二(著)、立花隆(編集)

 がんで余命わずかと宣告された物理学者、戸塚洋二氏の闘病記です。

本書は、物理学者として権威ある立場の戸塚洋二が著者であることと、著名なジャーナリスト・ノンフィクション作家である立花隆が編集担当しており、書き手が影響力のある人物であることが特徴です。

著者が有名人である闘病記は世の中にたくさんありますが、本書のように編集者が著名な人物であり、その要素に力を入れているものはそう多くはありません。

闘病記というジャンルの中で作品を際立たせるためには、このように能力のある編集者がついているといった"お墨付き"を貰うのもひとつの手です。帯に「あの○○さんも絶賛!」という評価が書かれている書籍がありますが、これも同じ手法です。

このような手法を採るには、著者がよほど有名な人物か、出版社から大ヒットすると期待される闘病記であるか、費用をかけなければ実現することは困難ですが、ベストセラーを狙うのであればこうした事例も視野に入れておきましょう。

 

Facebookに闘病記を投稿して話題に

 

僕の声は届かない。でも僕は君と話がしたい。
近藤崇 (著)

 脳梗塞で倒れ、体の自由と声と聴覚を失った元医師の闘病記です。

コミュニケーションを遮断され孤独や苦悩を抱えた著者が、その想いをFacebookにまとめて発信した事で話題を呼んでいます。

病室外の誰かと話すことができない状況で、何とか関わりを持とうとする著者のチャレンジ精神と、時代の最先端を表すFacebookを活用しているところが、これまでの闘病記にはない独自性を感じさせます。このように、ごく一般的な闘病記の中に今の時代背景を入れることで、読者の興味をひきつける事が出来るのでしょう。

 

意外性のあるタイトルや著者のプロフィールを紹介し、ターゲットに意識させる

 

奇跡の脳―脳科学者の脳が壊れたとき
ジル・ボルトテイラー(著)、Jill Bolte Taylor(原著)、竹内薫(翻訳)

ハーバード大学の脳科学者である著者自身が脳卒中に襲われ、リハビリを経て復活を遂げた驚異的な闘病記です。

こちらはすでに書籍のタイトルから強いインパクトがありますね。ポイントは、「まさかあの人が」と思わせる表現をすることです。職種を見せることで、読者に意外性を感じさせることが出来るのです。

他にも、著者の年代や立場、人柄などによって同じように意外性を持たせることが出来ます。例えば、病気が気になる中年男性に向けて「65歳の自分が・・・」と表現したり、「20代で●●を発病した」という風に、まさかそんなに若い年で・・・と読者に思わせることが出来ます。

また、父親母親であったり、誰かに頼られる立場であることを強調するなどして、読者に親近感を持ってもらうこともできます。

表現の仕方によっては誰でもできる手法ですので、自分に適したものを考えてみましょう。

 

読者に気づきを与える闘病記

 

壊れた脳 生存する知
山田規畝子(著)

症状が見た目のに現れず周りから理解されにくい「高次脳機能障害」をもつ著者が、日常の思いや障害者を取り巻く社会環境への提言をまとめたもの。

こちらは闘病記でありながらも、障害者の医療現場や社会環境をつぶさに観察してまとめるという読者に新たな”気づき”を与える内容となっているのが特徴です。著者自身が医師であるためか、想いを綴るだけではなく、高次脳機能障害について詳しく分析し障害についてさらに踏み込むことで、原稿に付加価値を与えています。

闘病記も着眼点を変えてみることで、このように他の書籍にはない魅力が出てきますね。

 

固定概念に囚われない闘病記のかたち

 

僕の死に方 エンディングダイアリー500日
金子哲雄(著)

肺カルチノイドで急逝したジャーナリストの見事な死の記録。

本書は「感動する」「心温まる」といった従来の闘病記とは打って変わった、「命の始末」と真正面から向き合った闘病記録です。死生観や死に様など、死について考えながら生と向き合うという、こちらも他の闘病記とは着眼点が異なる書籍となっています。

最近では「死を受け入れる」「無理はしない」といった穏やかな内容の闘病記が多いですが、本書のように様々な葛藤や苦しみの中で、最後まで死ぬ事と向き合い続ける反骨心の強さを感じさせるものもまた、読者の心を打ったようです。思い悩む気持ちを赤裸々に書くことは体力を要する作業ですが、書き上げたときの達成感や読者に与える感動もひとしおではないでしょうか。

 

 

以上が今売れている人気の闘病記になります。その書き方は様々ですが、一貫して言えることは、他の書籍とは群を抜いた”独自性”があることです。

世の中で話題化することを狙うのであれば、こうした最近の出版事例から「なぜ売れているのか?」を分析してみましょう。もっといろいろなヒントが得られるはずです。

(※出典:すべてAmazonランキングから)

 
一覧に戻る

その他のコラム

電子書籍ビジネスにみる出版業界の展望
あなたが持っているスマートフォンに、電子書籍を読むためのアプリはインストールされていますか? もしくは、電子書籍…
小説を書くときに知っておきたい「ヒーローズジャーニー理論」とは
「小説を書いてみたいけど、どういう構成にすればいいんだろう……」 「キャラクターや世界観はぼやっとぼんやりと想像…
憧れの“重版出来”! 書籍出版から重版になるまでの過程とは
  2016年4月から6月までTBS系で放送されたテレビドラマ「重版出来!」の影響から、“重版”という言…
あなたの俳句・短歌を一冊に。俳句集・短歌集の作り方【後編】
前編に引き続き、俳句集・短歌集の制作の流れをご紹介します。 2)制作の流れ(出版社での自費出版の場合) 続いて、…
あなたの俳句・短歌を一冊に。俳句集・短歌集の作り方【前編】
俳句・短歌は身近な文化  俳句・短歌は、私たち日本人にとって最もなじみのある日本文化です。 学生の頃には、誰も…

お電話によるご相談はこちら
お電話でお問合せ
お電話受付時間(平日10:00~20:00)
幻冬舎ルネッサンス公式アカウント