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絵本「しあわせのシンバル」制作秘話(2)

 

著者:カノヤツキ

 

本コラムでは、絵本「しあわせのシンバル」(カノヤツキ・著)の余話をお届けします。どうぞご覧ください。

しあわせのシンバル(カノヤツキ・著)

「まわりのみんなを喜ばせようと くる日も くる日も 一生懸命シンバルをたたいているおもちゃのおさるさん。だけど、その手は笑顔とは裏腹に傷だらけだった。」不器用で、傷ついてばかりのおさるさん。

そんなおさるさんを心配そうにみつめる少年。優しい心をもつ人はきっと最後に救われると希望をもてる優しい物語。(書籍の詳細はこちら)

 

 

前回は、「しあわせのシンバル」を書くに至った主な動機をお伝えしましたが、今回は、もう少し詳しくお話ししたいと思います。

今回の絵本のテーマは「利他主義」とそれに連動する「哀しさ」です。幼稚園の頃、初めて見たサーカスのピエロに感じた、「哀しさ」。その「哀しさ」と、おもちゃ屋のシンバルを叩くおさるさんに感じた「哀しさ」は、まったく同質のものです。それが単なる「哀しみ」で終わらず、廻り廻って、あるいは偶然のような必然で、色んな形や姿に変わって「喜びや幸せ」として戻ってくる因果があるように思えて仕方ありません。

そんなことは、本当は世の中の誰にもわかることではないでしょうが、一砂の救い・希望のようなものを、そこはかとなく誰かが表現することは、とても大切なことだと感じます。

 

世界が平和になる、とはどういうことでしょう?

一人の人間がたった一人の人間を愛すれば、済むことです。どこの国に暮らしていようが、どんな人種だろうが関係ありません。誰か一人が誰かを愛すれば、世界は幸せになり、争い事など無くなる、と私は信じます。だから、ただただひたすらに、笑顔でシンバルを叩き続けるおもちゃのおさるさんに「大きな愛」を感じます。一人ではなく、多くの人を楽しませようとすることがどんなに大変か!

今回、ゴールデンボンバーの樽美酒研二さんに絵本の帯を書いて頂いたのには、大きな理由があります。縁があって、まだゴールデンボンバーの皆さんがメディアでフィーチャーされる前に、私はライヴを見て、その後お話しをさせて頂く機会がありました。研二さんは非常に純粋な方で、心が綺麗です。

彼は、ライヴでも、なりふり構わず、ファンを喜ばせようと必死でした。エアードラムはもちろんのこと、身体を張った芸の数々。非常に心を打たれました。その姿は、まさに、シンバルを叩き続けるおもちゃのおさるさんであり、その哀しい表情と白塗りのメイクは、私が幼稚園の頃に見た道化師(ピエロ)そのものでした。

 

私は、迷うことなく、樽美酒研二さんに絵本の帯を書いて頂けないかと懇願し、彼は快く引き受けてくれました。「ボクには居るのかな? 本当のともだちって…」という帯文。シンプルですが、実に深い言葉です。きっと研二さんは、ファンへ無償の愛を送りつつも、どこか孤独、どこか悲しみ、どこか淋しさを、実はご自身でも感じていたことに、この絵本によって気づいたのではないでしょうか?
この絵本を機に、世界の人々が少しでも安らかになるような、人間の本質的なテーマをシンプルに表現していきたいと思っています。

 

次回は、恥ずかしながら、わたくしの履歴について語りたいと思います。

 
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