本作は2018年8月発行。（著者前作は「天意を汲めるか」2018年６月発行。）
表紙添え書きに、「何年か後の人間社会」に警鐘を鳴らす。ーー」とある。
「二千三十年五月、丸々と太った四千二百グラムの元気な赤ちゃんが栃木県鹿沼市久保町に生まれた。」以上の記述で物語は始まる。この子が、六次元霊界から再生誕した高次霊 三井光樹。
目次のままに追いかけるなら、変わり者の幼児→神童小学生→神様中学生→世界に飛び出す→秘めたる力の使い方→衆議院議員として→総理として→障害者村名誉村長 と物語は展開される。最終ページの記述に、享年七十一歳。光樹の満願成就の一生が終わった。（三千年七月一日早朝五時）
近未来を舞台に、三井光樹という再生誕した高次霊が、大きな志と非凡な力を持って、方向を見失い行き詰まった世の中をほぐしていく。そんな物語だと思います。ややもすると現実的でない全くの架空物語になってしまいそうな展開を膨大な記述で丁寧に埋めて、物語が成立しています。
著者にとって、作中未来「満願成就の一生」を終えた三井光樹は、著者が今の世に住みながら登場を心より願っている「超人」であるのかもしれません。
数ヶ月前に読んで、日本にもこんな現役官僚がおられるんだと嬉しくもあり安心もした 江崎禎英さんの「社会は変えられる」世界があこがれる日本へ が思い出されました。
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