私は文章を読む時に【好き、嫌い】や【良作、駄作】を判断する材料として「匂いと色」を重視しています (非常に感覚的な事ですが)。「匂いと色」はストーリーの有無とは無関係の処に存在していると思います。
「血魔派の三鷹」に入っているお話には、その「匂いと色」がぷんぷんとしてくるものがいくつもあります。
血魔派の三鷹
神社の川の
おうち
渚の卵
この四篇が私のお気に入りです。
表題作「血魔派の三鷹」の終盤のシーンでは「未来世紀ブラジル」を観ているかのような気分になりました。
骨太な物語、シュールレアリズム、愛、恋、家族、挙げきれませんがその他多くの事を含みつつ一冊で一曲の音楽のような作品だと思いました。
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